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Love Inside feat.Trine-Lise Vaering
今回の"HUG MUSIC"の為に最初に書いた作品。
このコンセプトに必要な要素として、人間の声とピアノに重点を置くと決めた直後、彼女の声に出会いました。
Trine-Lise Vaeringはデンマークの女性シンガーソングライターで、1993年に本国でデビューして以来、通算6枚のアルバムをリリースしています。最近ではクラブジャズ界でも人気の高いPOVOのアルバムでも彼女はフィーチャンリングされています。その独特な歌声に僕は魅了され、早速コンタクトをとってみたら、快く"OK"の返事を頂き、彼女の声をイメージしながら"Love Inside"を作りました。
僕が"HUG MUSIC"で掲げている2つのテーマ”そこに留まらす優しさ”と”そこから一歩先へ進む強さ”を同時に彼女の声は持ち合わせています。Trineは僕が提案したメロディー以外にもたくさんのラインを録音してくれました。そのクリエイティブへの前向きな姿勢は素晴らしいものです。
よってここにアルバム1曲目を飾る、素晴らしいJazz Grooveが出来上がったと確信
しています。
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Sweet Street feat.Olivia Burrell
僕の作曲法の中で、常に眠っているアコースティックの息吹を呼び覚ました感のある曲。
アレンジという”洋服”で、いくらでも装おう事の出来る音楽は、大切なメロディーラインが骨抜きでも、世の中にリリースする事が出来ます。
僕は今回のこの企画の中で、過去に影響された良質なメロディーラインとミディアムテンポに、現代の”洋服”を着せ、人々が耳を傾けやすい心地よさと力強さを目指しました。
この "Sweet Street"は僕が子供の頃から聞き続けた”フォークミュージック”を自分なりに現代に提示したものです。歌っているのはカナダ出身で、現在は東京を活動の拠点にしている黒人女性シンガーOlivia Burrell。
僕より10歳年下の彼女は見事に僕の”オールドスクール”を2006年版にしてくれました。
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The Only Eternity Of Mine feat.Sean Altman
恋人に手紙を書くつもりで作った作品です。
アルバムには日本語訳を載せませんでしたが、ここでは特別に日本語訳を載せておきます。
手紙をリーディングしてくれたのは前回、僕の3枚目のアルバム"Conexion"の中の1曲、"Don't Stay Down"を歌ってくれた Sean Altmanです。
"The Only Eternity Of Mine"
僕のたった一つの永遠は、突然現れた稲妻のごとく一瞬にして僕の心を奪っていった
ゆっくりと落ちて行く陽の光に目を向けるようになり
訪れる月の灯りを愛おしく思うようになった
長い時間と険しい道のりは、いつしか美しい水を運ぶ一本道のように目前が開け、
青い空へとつながる
目をつぶっていたと同様の暗闇は、いつしか色を覚えた子供のように、笑顔でその気
持ちを伝えられるようになる
孤独ではないと思える喜びは、悲しみの中央にいる時は分らない
孤独ではないと思える喜びは、それを分かちあえる人に伝えたい
冷たくなったこの手がようやく届いたのは、君というたったひとつの永遠
機敏な変化をする季節に気付き、晴れの日と雨の日に気を配り
近付く靴音に胸を踊らせ、ポケットの中に温もりを感じ
赤ワインの葡萄が育つことを楽しみに待ちながら
僕達は窓際に座り、くだらなく、何気ない言葉の中に未来を感じあう
僕が君を抱きしめるほど、君は本当の君に気付く
新しい自分ではなく、本来の姿
真実の扉を開けるのではなく、もともとそこにいた自分
北から吹いてきた風が南に下り、少しの肌寒さに変わったように
僕はゆっくりと最後に向かう
そしてそこから始まっていくと歌う
瞳に隠れていた輝きは、夜空の点と点をきっかけに、君に放つ
踊る火の輪は空高く消え、飛び散る火の粉もさらりとかわし、
無駄な時間に悔やむことなく
君を想い焦がれる
君は次の駅を知らない運転手
これをいっかいの奇跡と呼べるのなら、もう僕はこれでいい
これでいい
僕のたったひとつの永遠は、突然聞こえてきた音楽のように心に突きささる
きゅうくつな日常に飛び込む勇気が生まれ
曇った夜空に星を探すようになる
凍ってしまっていた血液は、いつしか甘い香りのする毛布のように
暖かく変化する
歩きくたびれてしまったこの足は、遊園地の開演時間をまちわびる子供達にように
疲れを遠く忘れる
孤独ではないと思える喜びは、悲しみの中央にいる時は分らない
孤独ではないと思える喜びは、それを分かちあえる人に伝えたい
冷たくなったこの手がようやく届いたのは、君というたったひとつの永遠
君というたったひとつの永遠
僕が君を抱きしめるほど、君は本当の君に気付く
新しい自分ではなく、本来の姿
真実の扉を開けるのではなく、もともとそこにいた自分
北から吹いてきた風が南に下り、少しの肌寒さに変わったように
僕はゆっくりと最後に向かう
そしてそこから始まっていくと歌う
孤独ではないと思える喜びは、悲しみの中央にいる時は分らない
孤独ではないと思える喜びは、それを分かちあえる人に伝えたい
冷たくなったこの手がようやく届いたのは、君というたったひとつの永遠
君というたったひとつの永遠
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Waltz For Sad Young Man
先にも触れた"HUG MUSIC"の大切な要素であるピアノを主体にしたインストナンバー。
テーマである最初と最後のメロディーを書き、中盤の美しいラインを、いつも僕のアルバムでは一緒に作業しているピアニストのBonzie.H.Riverに作ってもらいました。僕の作品の中では異色なものに聞こえるかもかもしれませんが、いつもと同様、メロディーはふとした時に湧いてきました。この時はシャワーをあびていたら曲の断片が降ってきたと記憶します(笑)。
若者が経験する(僕もたくさん経験した)あの、どうしようもなく、どうにもやりきれない感情のメロディーを3拍子に乗せました。Bonzieの作ったラインが、うつむいた顔を前に向かせてくれています。
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Doce Abraco feat.Clara Becker
このアルバム中、まさか我がアイドルでもあるブラジル人女性シンガー、ClaraBeckerが僕の曲を歌ってくれるとは夢にも思いませんでした。駄目もとで依頼したんですが、すぐに"OK"の返事が来た時は、飛び上がって喜んだんです。作歌名利につきます。
彼女がリリースしたアルバム"Petalas"は僕のフェイバリットアルバムでもあり、当時は毎晩このアルバムを聴いては、目は閉じてるんですが、その目は常に何かをイメージしていた気がします。彼女の歌は優しく、僕を前に向かせてくれていました。
彼女からの"OK"の返事が来てから、2度、3度と曲を変更して(思い入れが強いので仕方ない)ようやくこの
"Doce Abraco"が完成しました。彼女の吹き込まれた声を聞いた瞬間は、作り手の僕が"HUG"されてしまったのをよく覚えています。アルバムのラストを飾るにふさわしい曲が出来たと思っています。
*ちなみに"Doce Abraco"は英語で言うと"Sweet Hug"。
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